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中国うるるん研修記@南陽 臨床現場1編









 
 

臨床現場

今回は2班に分かれて、治療院2箇所に密着し研修してきました。
1.附属病院 2.南陽中医院
患者さんの層 肉体労働者・小児 会社員・富裕層
多く見られる疾患 小児麻痺・脳性麻痺
顔面麻痺他
顔面麻痺・不眠
免疫不全他
臨床の先生
宛亮先生(世珍先生の三男)
潘先生(世珍先生の弟子)
その他 美容針灸

治療時間 : 朝8:30〜11:30 午後3:00〜5:30(または6:00)
いずれも中西医総合病院の中のひとつの科として存在。目の前は歯科があり、隣には
放射線科があるといった感じです。保険治療をしています。

附属医院には韓国留学生たちも治療の見学や助手をしているため、狭い針灸科の中は
「誰が患者さんで誰が研修生」かわからないほど、ごった返して
いました。

午前中だけでも20名近い患者さんの数。取穴がほとんど手足だけ
のため、脱衣も必要なく、いすに座って鍼を打たれる人もいます。

今回はわたしたちが見学するということで 特別に
普段は、「必殺仕事人」でただ針を打つだけの先生が、それぞれの
患者さんの疾患について「弁証論治」の解説をしてくださいました。
その内容は、弁証と治則、取穴だけでなく、西医からみた疾患に
ついての説明や経緯までも含めたものと初歩から丁寧に。

中医学専門ではない通訳さんは専門用語にたじたじ。
それでもわたしたちの容赦ない質問に、先生は身振り手振りで
応えてくれます。

その熱気たるや。
患者さんも唖然。

わたしたちの突っ込んだ質問に宛亮先生だけでなく、伝岐先生までもが熱心に応えてくれます。

さらに、宛亮先生の手技は世珍先生お墨付きということで、少しでも見逃すまいと目を凝らす。
「どうしたら先生のように神の手に近づけますか?」と聞くと「わたしは12歳の頃から手技を
訓練している。」という言葉に一言も返せず、黙って手技の訓練を始めるのでした。


針灸科の外には患者さんがあふれているのに、わたしたちへの
説明のため、患者さんがほっておかれて怒ることもしばしば。
さらにこどもたちが泣く、騒ぐで治療室内は騒然。

ほんと・・・ごめんなさい。

それでも先生は、休むまもなく、こっちの患者さんあっちの
患者さんに針を打ち、わたしたちに説明し、と全力疾走。

それでも打つ針は患者さんの症状がその場でみるみる変わる
そんな針を打つんです。

1日目の午前中だけで、すでに1週間分くらいの研修を終えたような
気分でした。ふぅ。

さて、研修も終え、そろそろ帰ろうとしている頃、ひとりのおばちゃんが先生にくってかかっています。
どうやら「先生の処方された薬を飲んでも一向に眠れないわよ。どうしてくれんの?」とすごんで
いるらしい。すかさず、先生が鍼を3穴に打つ。またしばらくするとどうでしょう。あの目を吊り上げて
起こっていた表情が「ぽわぁん」と眠そうに穏やかになっているではありませんか?
翌日、彼女はぐっすり眠れたととても喜んでいたそうです。